[優秀賞]
和田峻成|スーパー?グッドグッドデイ
宮城県出身
村上滋郎ゼミ
いつだったか、誰かに足元を見て作品をつくれと言われた。
言われた通り足元を見ていたら、ふくらはぎにタトゥーが入っていた。
てか、太ももにも入ってたわ。
ああ、腹にも、腕にも。(めっちゃあるわ)
これじゃあ銭湯にも行けねーな!
でも大丈夫。ご飯いっぱい食っときゃ大丈夫。(知らんけど)
そんな事より早く遊びに行こうぜ!
てか、今、生きてる?
村上滋郎 専任講師 評
和田君が制作をしているアトリエに行くと、いつも真剣な眼差しで作品を見る姿があった。その目は、さながらグリーンの芝目を読むゴルファー、伝統工芸品を作る職人の射抜かれそうな目つきそのものだ。いまここに展示してある作品のレイアウトも、最後の最後まで、微調整し続け今の配置になっている。
和田君は彫り師(タトゥーアーティスト)と美術作家の両立を目指す学生である。タトゥーは、様々な歴史やカルチャーが複合的に絡んでおり、アート同様地域事に新しい表現が常に生まれている分野である。そういった文化や歴史もリサーチしながら、アートとタトゥーの領域を交差させ、表現をドローイング的な絵画へ展開する作品を多く制作してきた。3年時に今の様な表現の軸ができてから、社会に対する興味?関心が広がり、絵画以外の素材以外も用いて、インスタレーションや立体作品へと表現を発展させてきた。楽しくも力強い卒業制作に見られる凄まじい成長は、他コースの学生と作ったコレクティブでのパフォーマンスやプロジェクトなど、仲間との様々な経験ができたからだろう。
ゼミでは、タトゥーアーティストという職業はまだまだマイノリティで、偏見も多く世間からの批判や厳しい意見も多いいことは常に話している。一方で、憧れたり、熱狂的に心酔してしまうほどの魅力があるのも確かだ。この先、もっともっと厳しいこはあると思うが、信念を曲げず堂々と彫り師になったことを話せる様な活躍を、いちタトゥーカルチャーファンとして切に願っている。