[優秀賞]
近藤正太郎|界面
岩手県出身
村上滋郎ゼミ
写真
今作品は自身とネットとの関係性を一度振り返り、現代におけるネットと現実を行き来する“場所”と“共同体”をテーマにした写真シリーズ。
『全裸のモノ』『服の人』『外と内の場所』
この3つの要素を起点にして、人とネット?メディアとの関係性や特質を考察している。この作品は私を含む誰もが抱く小さくも根深い内的なナショナリズムを表現している。
村上滋郎 専任講師 評
彼のステートメントより
(略)私たちが扱うネットという仮想空間は、全てが繋がっている様で繋がっていない。でも、私たちは繋がっていると思ってしまう。その繋がっているという幻想が私たちを閉じ込める。浅瀬に立ちながら大海を知った気でいる。社会を見ている様で、社会から離れている。
BALL BAGこと近藤正太郎君は、様々なメディアを活用し、自分自身をモチーフにしながら誰もが匿名で発信できるネット社会の、コミュニティと個人の関係性を作品化している。本質的に変わらない人間の真実を探っていると言ってもいい。
近藤君は、2年生の頃から新しい作品を作ると見て欲しいと言って積極的に作品を見せに来る学生だった。制作で扱うメディアが写真やデジタルになってからの制作スピードと作品量の多さは目覚ましく、写真、映像、インスタレーションと、常に発展があった。あらゆる情報を貪欲にインプットし続ける、底のない好奇心で見ている彼の世界を見せてもらえる事と、彼の話を聞くのがいつも楽しみだった。彼の話はいつも興味深く、私自身が彼の頭の中を彷徨う様な感覚があり、ちょっとした精神旅行を味合う様な感覚があった。
アートは従来の概念と枠組みを常に拡張し続けている。近藤君自身も常にアップデイトし続け、変化にしがみつき、挑み続けるだろう。作家として、必ず活躍すると信じている。